ミロが教えてくれた事

赤ちゃんからアトムとウランを育て、パンや他の子達の多くは手乗りサイズから育てました。
だから、ミロとサヨを保護した時、そんなに大層に思ってはいませんでした。
会社のお盆休みの初日に保護。
1週間の休みの間に、しっかりと育てるつもりだったのです。

予想に反して...ミロとサヨは、食べる事も飲む事も、一切拒否してくれました。
まだ小さかったので、エスビラックミルクを無理矢理飲ませたり、栄養を取らせる為にa/d缶
やデビフの子ネコ缶をミルクで溶いて食べさせたりしました。
体重は、少し増えましたが、下痢がなかなか治まりませんでした。

私は無知だったのです。
下痢が酷い時は、脂肪分はあまり良くないのです。
a/dでなく、i/dを与えるべきでした...

2匹はとても仲が良く、一緒に遊んだり探検したり...下痢がなく、しっかり食べてくれたら、さぞかし可愛い子猫に育った事でしょう。
しばらく別部屋に隔離して、リビングに中位のサイズのケージを持って来て、そこに移動させました。
落ち着くかと思い、中に今まで居たキャリーを入れて。
でも、それがいけなかったのです.....
中の様子が、よく見れなかったから、9時頃にゴハンを食べさせて、深夜2時に様子を見たら、
サヨは元気でしたがミロが吐き下して凄い状態でした。

すぐ深夜やっている獣医に電話、低血糖だと言われ指示通り「砂糖水」を飲ませ「ニュートリカル」を舐めさせて、身体も暖めました。
意識はあるようで、つぶらな瞳で私を見ていたミロ。
「助かった」と思った様に、私には見えました。
でも、お酒を飲んでいた為に車が出せず、あちこち探したけどタクシーが見つからず、後悔したくなかったので近くの個人医に抱いて連れて行き、ドアを叩きインターホンを鳴らし、電話も掛けてみましたが...朝の4時では起きてくれはしませんでした。

諦めて自宅に戻る途中、私の腕の中でミロは短い一生を終えてしまいました。
意識も殆ど無かったけど、時々苦しそうに動いてたのに...
何故、あの時砂糖水やニュートリカルを持って出なかったんだろう...と後で思いました。
後悔したくなかったから..やれる事はしようと思ったのに、結局後悔ばかり残りました。
自分の無知と馬鹿さばかりを思い知りました。

低血糖は、栄養不足が大きな原因です。
でも、ブドウ糖の注射1本で生還する事が大いに期待出来るのです。
後日、サヨが同じ症状になった時には、すぐ獣医に運べたのでブドウ糖の注射で助かりました。
勿論、帰宅してすぐゴハンを食べさせましたが。
サヨはその後も低血糖になりましたが、砂糖水やニュートリカルやゴハンで何とか自分で処置出来たのは..ミロのおかげだと思います。

最近知った近くの獣医は、深夜でも電話が取れる状態であれば、診てくれたそうで...この獣医の時間外の連絡先を知らなかった事が、すごく悔やまれました。
ミロに、もっとしてやれた事が一杯あった筈なのに...
悔やんでも悔やみきれません。

サヨはその後、何故かいきなり自発的に食べ始め..一気に大きくなりました。
そして、元気に里子に出て行ったのです。

赤ちゃんネコを保護したら、とにかく暖め、子ネコ用のミルクを与えて下さい。
離乳時期の子ネコだったら、子ネコ用の缶やa/dをあげて下さい。
でも、もし子ネコが下痢をしていたら...a/dでなくi/dをあげて下さい。
そして、もし低血糖になったら...応急処置に砂糖水を与え、出来れば食べさせて下さい。
身体はしっかり暖めて下さい。
何より、すぐ獣医に連れて行ってあげて下さい。


ミロを生きさせてあげられなかった、辛い思いを私は忘れません。
子ネコを亡くしたのは初めてで、ものすごく辛かった...
小さい身体があまりに哀れで...霊園では、赤ちゃん同様に扱ってくれました。
丁寧に焼いてくれたので、お骨も綺麗に残っていました。

ちゃんと親猫が居たのに...保護したのは間違いだったのではないか...かなり悩んだ事もあります。
でも、残っていた子猫は育たなかったので、保護して良かったのかも知れません。
あの子も保護してあげたら良かった...親猫も捕獲出来たら良かった...

いつもいつも後悔ばかり残ります。
けど...ミロが教えてくれた事は、忘れません。
二度と、子ネコを死なせないように...
何があっても、保護した子は元気に育てたいと、心から思います。

ミロ、ゴメンね...ホントにホントにゴメンね...
母ちゃんは、ミロの事を一生忘れないからね。


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